きみははだかで、ぶるぶる震えたままで
それでも必死に歩こうとしている
絡みついたいばらのトゲに
足の裏をひどく痛めても
あふれ出る血の赤が、泣きたいぐらいに鮮やかだ
そうして、うすべにとむらさきのまん中に立って
強さは、やはらかさであるということを
きみは世界に示し続けている
今日きみは再びうまれた
黄金に光る朝焼けと、ダイヤをちりばめた夜のすきま
天使たちのラッパをみちしるべに
きみは、泣きながら歩いているんだ
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
ぼく、は
そこからは見えない場所に来てしまっただろうか
星くずの谷間 ラヴェンダーいろの木々が囁いている
あの頃よりか すこしだけピンと伸びた指さきから
またひとつぶ 星の砂が転がり落ちる
心臓の奥のほうにはちきれんばかりの 愛が座っているのに
まだ少しだけ扉をたたく手は震えている
ぼく、は
いつだってこの地球では子供のまんまだ
震える手、震える足、ゆっくりと地平線をけりあげて
真夜中、体から抜け出したらペガサス座の方角できみや、きみとも逢えたらいい
そうしたらきっと躊躇うことなく扉を開けて
むらさきの閃光に身をゆだねられるの
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
May 21th 2013